薬剤師ライターとして案件を探していると、ほとんどの案件はまっとうなものです。ただ、ときどき「これは違うな」と感じる案件に出会うことがあります。
案件を取りたい気持ちが強い時期ほど、判断が甘くなりがちです。実際に私が断った案件の経緯と、気をつけてほしいポイントをお伝えします。
プラットフォームの外に出ようとする案件
クラウドワークスで応募したあと、「詳しい話はメールで」「LINEで連絡しましょう」と、クラウドワークスの外でやり取りしようとするクライアントがいました。
「医療コンテンツ作成できる薬剤師さんを探しています」という案件に応募したところ、「詳しい業務内容についてご説明したいのでLINEを教えていただけますか」という返信が来ました。なぜLINEが必要なのかを聞くと「やり取りがスムーズだから」という曖昧な回答でした。この時点で違和感を覚え、断りました。
クラウドワークスには、やり取りの記録が残る仕組み、トラブル時のサポート窓口、エスクロー(仮払い)による報酬未払い防止の仕組みがあります。プラットフォームの外に出ることはこれらの保護を手放すことを意味します。
正当なクライアントであれば、クラウドワークス上でやり取りを完結させることに問題はないはずです。最初から外部への移行を求めてくる場合は、慎重に判断することをおすすめします。
なぜスクール勧誘につながる案件があるのか
ライター案件の中には、仕事の依頼を入口として、有料のライタースクールや講座への勧誘につなげようとするものがあります。
ライティングの仕事を探している人は「もっとスキルアップしたい」という気持ちを持っていることが多く、そこを狙った案件が存在します。
典型的な流れ
案件の文面は普通に見えます。応募すると普通のやり取りが続き、その後「より詳しい案件の説明をしたいので、オンラインで30分ほどお話しできますか」という流れになります。
面談の中で「まずライティングの基礎を固めてから案件を受けていただきたい」「弊社の研修プログラムを受けていただくことが条件になります」という話に変わっていき、有料の講座や教材の購入を求められる——これが典型的なパターンです。
本物の案件は最初から仕事の内容・報酬・納期・文字数が具体的に書かれています。条件が曖昧なまま「まずお話を」という形で進めようとする案件には注意が必要です。
怪しい案件を見分けるポイント
経験から感じた、注意すべき案件の特徴をまとめます。
プラットフォーム外への誘導
メール・LINE・電話など、クラウドワークス外でのやり取りを最初から求めてくるケースは要注意です。「やり取りの記録を残せる環境で進めたい」と伝えて、それでも外部を求めてくるようであれば見送ることをおすすめします。
条件が曖昧
「詳細は後ほど」「ご相談しながら」という言葉で、応募させてから条件の交渉を有利に進めようとする意図が隠れている場合があります。最低限「文字単価または月額報酬」「1記事あたりの文字数」「月間の本数」「納期」が明記されているべきです。
報酬が高すぎる
「実績不問」「未経験でも高単価」という組み合わせは注意が必要です。最初から相場の何倍もの高単価が保証されている案件は、通常の案件ではない可能性が高いです。
発注者のプロフィールが空白または薄い
プロフィールが空白、評価がゼロ、名前だけで情報がほとんどない——こういったアカウントからの案件は、確認できる信頼の根拠がありません。他の要素と合わせて判断することが重要です。
応募後に「まず話を聞いて」という流れ
案件の詳細ではなく、面談や説明会への参加を求めてくるパターンです。「面談に来ないと案件の詳細が教えられない」という構造は、その中でスクールへの購入に誘導されることがあります。
断ることへの罪悪感は不要
怪しいと感じた案件を断るとき、「せっかく返信をもらったのに」と罪悪感を感じる方もいるかもしれません。
でも、断って問題ありません。
断るときに長い説明は不要です。「今回はお断りさせていただきます」の一言で十分です。断れずに曖昧なまま進んでしまうと、面談の場でスクールへの申し込みを断りにくい状況が作られることがあります。怪しいと感じた時点でやり取りを止めることが、最もシンプルで安全な対処です。
直感的に「なんか違う」と感じたときは、その感覚を大切にしてください。
まとめ
- プラットフォーム外に誘導しようとする案件には慎重に
- 条件が曖昧・報酬が高すぎる案件は立ち止まって確認する
- 発注者のプロフィールや評価は必ず確認する
- スクール勧誘案件は「仕事の依頼」を装って入ってくることが多い
- 怪しいと感じたら断っていい。断り方はシンプルで十分
- 直感を信じる
案件を取りたい時期は焦りが生まれやすいですが、最初の1件を安心して働けるクライアントから始めることが、長く続けるための土台になります。案件の選び方については薬剤師ライターの始め方もあわせて読んでみてください。