「書き終わった!」と思ってすぐ納品するのは少し待ちましょう。

記事を書き終えた後に行う校正・推敲が、クライアントからの修正依頼を減らし、信頼につながります。

校正と推敲の違い

  • 校正:誤字脱字・固有名詞の誤り・表記揺れなど、明らかな誤りを正す作業
  • 推敲:文章の流れ・わかりやすさ・トーンを整える作業

どちらも納品前に行う作業ですが、目的が異なります。まず校正で「間違い」を取り除き、次に推敲で「読みやすさ」を整えます。

納品前チェックリスト

誤字脱字・変換ミス

書き終えた直後は、書いた内容をそのまま読んでしまいがちです。

効果的な方法:

  • 時間を置いてから読み返す(30分〜1時間)
  • 声に出して読む(目で読むと飛ばしやすいミスが耳で気づける)
  • 別のデバイス(スマートフォンなど)で読む(見え方が変わり気づきやすい)

薬品名・数値の確認と出典の明記

医療記事で最も注意すべき確認作業です。

薬品名の誤表記・用量の誤り・禁忌条件の抜けは、読者に直接的な影響を与えます。書いた内容は、必ず添付文書やPMDAで照合します。

「知っているから大丈夫」という判断はしません。知識と情報源の確認は別の作業です。

また、記事内に具体的な数値(有病率・副作用の発現頻度・統計データなど)が含まれる場合は、どのページから引用したかを記録しておきます。

「〇〇の患者数は約△万人(厚生労働省 令和〇年患者調査より)」のように、省庁名・資料名・調査年を明記することで、記事の信頼性が上がります。クライアントから「この数字の根拠は?」と聞かれたときにも、すぐ提示できる状態にしておきます。

薬機法に触れる表現のチェック

以下の表現が含まれていないか確認します。

  • 「〇〇に効く」「改善する」など、効能効果の断定
  • 「最も効果的」「No.1」など、根拠のない最上級表現
  • 「副作用なし」「安全」など、安全性の過度な強調
  • 健康食品に対して医薬品的な効能を示唆する表現

薬機法チェックは、記事を書きながらではなく、書き終わった後に改めて確認すると見落としを防げます。

クライアントの媒体トーンとの一致

クライアントが指定したトーン(敬体・常体・難易度)で書けているか確認します。

「です・ます」で書くように指定があったのに、一部で「だ・である」になっていないか。専門用語の使用範囲は適切か。読者層(一般消費者向けか・医療従事者向けか)に合った表現かを確認します。

クライアントから過去に指摘を受けたポイントは、特に重点的に確認します。

構成と見出しの確認

書いている途中に内容が変わり、見出しと本文がずれることがあります。

  • 見出しが本文の内容を正確に表しているか
  • 見出しの粒度が揃っているか(H2とH3の使い分け)
  • 結論が冒頭または末尾に明確にあるか

文字数・納品条件の確認

クライアントが指定した文字数の範囲に収まっているか確認します。

大幅に超過または不足している場合は、修正が必要です。また、画像・リンク・参考文献など、クライアントが指定したフォーマット要素が揃っているかも確認します。

AIを使った校正・推敲

私自身、書き上げた記事の推敲にAIを活用しています。

書いた記事をAIに貼り付けて、「この文章をわかりやすく推敲してください」「読みにくい箇所を指摘してください」と依頼する使い方です。AIは疲れないので、長い文章でも一貫して確認してくれます。

特に効果的なのは以下の用途です。

  • 文章の流れが不自然な箇所の発見
  • 同じ言葉の繰り返しや接続詞のくどさの指摘
  • 「読者に伝わりやすいか」という視点でのフィードバック

ただし、医療情報の正確性や薬機法の判断はAIに任せず、自分で確認します。AIは文章の読みやすさを評価するツールとして使い、内容の判断は薬剤師としての自分がする——という役割分担が基本です。

これからの時代、AI活用は選択肢のひとつではなく、当たり前のスキルになっていくと感じています。

修正依頼が減ると信頼が積み上がる

丁寧な校正・推敲が習慣になると、クライアントからの修正依頼が減ります。

修正が少ないライターは、クライアントにとって「仕事が早い・手間がかからない」存在です。それが継続依頼や単価アップにつながります。

まとめ:納品前の確認作業を習慣にする

医療記事の校正・推敲で確認すべきポイントをまとめます。

  1. 誤字脱字は時間を置いて読み返す・別デバイスで確認する
  2. 薬品名・数値は添付文書やPMDAで照合する
  3. 記事内の統計・数値は、出典(省庁名・資料名・調査年)を明記する
  4. 薬機法に触れる表現がないか確認する
  5. クライアントの媒体トーンと一致しているか確認する
  6. 文章の流れ・読みやすさはAIに推敲を依頼する
  7. 文字数・納品フォーマットを確認する

納品前の数十分の確認作業が、修正対応の時間とクライアントへの信頼の両方を守ります。

次の記事では、小児科・発達障害の医療記事を書くときに気をつけることを解説します。専門性の高いジャンルだからこそ注意すべき点を、現役薬剤師の視点でお伝えします。 小児科・発達障害の医療記事を書くときに気をつけること