「医療ライターと医療監修、何が違うの?」

副業を始めようとしている薬剤師から、よく聞かれる質問です。

どちらも薬剤師の専門知識を活かせる仕事ですが、やることも単価も異なります。両方を理解した上で、自分に合う方向性を選ぶことが大切です。

医療ライターとは

医療ライターは、医療・健康に関する記事を「書く」仕事です。

クライアントから依頼されたテーマに沿って、読者に向けた記事を執筆します。1記事あたりの文字数は2,000〜5,000字が一般的で、文字単価または記事単価で報酬が支払われます。

医療ライターの主な業務

  • 疾患・症状の解説記事
  • 薬・サプリメントの説明コンテンツ
  • 患者向けの服薬指導コラム
  • 病院・クリニックのオウンドメディア記事
  • 健康食品・化粧品の商品説明文

薬剤師ライターの場合、薬の知識を活かしながら「一般の読者にわかりやすく伝える」ことが求められます。

医療ライターの報酬の目安

経験レベル 文字単価の目安
初心者 0.5〜1円
経験1〜2年 1〜3円
専門家・薬剤師 3〜8円

医療監修とは

医療監修は、他者が書いた記事やコンテンツの内容を「確認・承認する」仕事です。

記事を書くのではなく、「医師・薬剤師が確認済み」という信頼の証明として名前を貸す(監修者として記名する)業務です。

医療監修の主な業務

  • Webメディアの記事に「監修:〇〇薬剤師」として記名
  • 記事内の医療情報が正確かどうかを確認
  • 誤った情報・薬機法に触れる表現の指摘
  • 必要に応じて修正コメントを出す

医療監修の報酬の目安

業務内容 報酬の目安
記事1本の監修 5,000〜30,000円
月額契約(複数記事) 30,000〜100,000円以上

記事を書かないにもかかわらず、単価はライターより高くなるケースが多いです。「専門家の名前」に価値があるためです。

医療ライターと医療監修の違いまとめ

項目 医療ライター 医療監修
主な業務 記事を書く 記事を確認・承認する
単価 文字単価(低〜中) 記事単位(中〜高)
必要なスキル 執筆力・構成力・専門知識 専門知識・判断力
始めやすさ 比較的始めやすい 実績・信頼性が必要
名前の公開 基本的に非公開 氏名・資格を公開

薬剤師はどちらを目指すべきか

まずはライターから始める

監修の仕事は、クライアントから「信頼できる専門家」として認められることが前提です。

実績のない状態で監修者として採用されることは難しく、最初はライターとして実績を積む方が現実的です。

ライターとして記事を書きながら、「薬機法チェックも対応できます」と伝えることで、徐々に監修業務への移行ができます。

監修は長期的な目標として持つ

医療監修は単価が高く、名前が記事に残るため、ブランドの構築にもつながります。

薬剤師ライターとしてのキャリアを長期的に考えると、「ライター → ディレクター → 監修者」という流れで段階的にステップアップするのが現実的なルートです。

両方を掛け持ちすることもできる

ライターと監修者は排他的ではありません。

一部のクライアントには記事を執筆し、別のクライアントには監修者として関わる——という働き方は、薬剤師ライターとして実績が積まれてきた段階で十分に可能です。

監修者として採用されるために必要なこと

実名・資格を公開する覚悟を持つ

監修者は記事に名前と資格が掲載されます。「薬剤師 〇〇」として公開されることへの覚悟が必要です。

実名公開に抵抗がある場合は、ペンネームと資格のみを公開するクライアントを選ぶ方法もあります。

自分の専門領域を明確にする

「薬剤師として何でも監修できます」より、「漢方・サプリメントの薬機法チェックを得意とする薬剤師です」の方が、クライアントの信頼を得やすいです。

監修の依頼が多いのは、健康食品・サプリメント・OTC医薬品・美容系コンテンツなどです。自分が日常業務で触れてきた領域を専門として打ち出すと、依頼につながりやすくなります。

まとめ:まずライターとして実績を積む

医療ライターと医療監修の違いをまとめます。

  • 医療ライター:記事を書く。初心者でも始めやすい
  • 医療監修:記事を確認・承認する。単価が高いが実績が必要

薬剤師であれば、どちらの仕事もできます。ただし順序としては、まずライターとして実績を作り、その上で監修者としてのキャリアを積み上げるのが現実的です。

次の記事では、医療記事の校正・推敲のやり方を解説します。納品前に必ず確認すべきチェックリストをお伝えします。 医療記事の校正・推敲のやり方:納品前にやるべきチェック