薬剤師の転職エージェントを調べると、比較記事やランキングが数多く出てきます。求人数はどこが多いのか、対応が良いのはどこか——選ぶ材料は揃っているように見えます。
ただ、実際に複数のエージェントに登録してみると、印象は少し違いました。エージェントごとの差よりも、担当者による差のほうが大きかったからです。同じ希望条件を伝えても、返ってくる説明の深さがまったく違いました。
この記事では、複数登録をするときの考え方と、信頼できる担当者をどう見分けるかを、実際に登録してみた経験からお話しします。
転職エージェント選びで差が出るのは担当者
先に結論をお伝えします。複数の転職エージェントに登録して比べても、返ってくる答えそのものは大きく変わりませんでした。求人の情報も、条件についての判断も、似た内容になります。
はっきり違ったのは、その答えをどう説明してくれるかでした。同じ「この条件では難しい」という結論でも、理由まで説明されるかどうかで、納得できるかが変わります。
この記事でお伝えするのは、次の3点です。
- 登録するエージェントを3社までにしている理由
- 複数登録しても、紹介される求人は重なることがある
- 結論が同じでも、説明の質で受け取り方は変わる
登録は3社まで。増やしすぎない理由
転職エージェントの比較記事では「2〜3社の登録がおすすめ」と紹介されていることもあります。私も、1回の転職活動につき3社までを目安にしています。
ただ、私が3社にしている理由は、選択肢を広げるためだけではありません。登録数を増やすと、連絡のやりとりが負担になるからです。
登録すると、それぞれの担当者から電話やメールが届きます。希望条件を伝え、紹介された求人を確認し、返事をする。この往復が、登録した社数の分だけ増えていきます。働きながら転職活動をしている場合、この連絡に時間を取られ、求人を検討する時間より返事をする時間のほうが長くなることもありました。
登録先を増やせば選択肢が広がるのは確かです。ただ、やりとりが追いつかなければ比較にならないというのが、実際に登録してみての実感です。
複数登録しても、求人は重なることがある
複数登録をすすめる理由として、「エージェントごとに扱う求人が違うから」という説明をよく目にします。これは半分そのとおりで、半分はそうでもありませんでした。
40代のころに転職活動をしたときは、別々のエージェントから同じ求人を紹介されたことがあります。担当者は違うのに、提示された職場は同じでした。
もちろん、すべての求人が重なるわけではありません。エージェントによって扱う求人が異なる場合もありますし、私が見た範囲では分からない部分も多くあります。ただ、登録を増やしただけまったく別の求人が出てくる、というほど単純ではないと感じました。
なお、このときは実際に転職しています。何を優先して職場を選んだかは、→ 詳しくは薬剤師は転職と副業どっちがいい?両方経験した私の選び方で解説しています。
どのエージェントでも、結論は同じになることがある
そこから何年か経って、もう一度転職活動をしたときのことです。このときは、どのエージェントに相談しても、返ってくる答えが同じでした。50代の私が希望する条件では難しい、という内容です。
1社だけがそう答えたのではありません。相談したところは、いずれも同じ判断を示しました。エージェントによって評価が分かれるものと思っていたので、これは意外でした。私の場合は、同じ経歴と希望条件を見れば、どこも判断は同じところに落ち着いたのだと思います。
なぜ難しいと言われたのか、その理由については別の記事で詳しくお伝えする予定です。
差が出るのは、結論の伝え方
では、どのエージェントも同じだったのかというと、そうではありませんでした。違いが出たのは、結論の伝え方です。
結論だけを伝えられると、こちらは「そうですか」と答えるしかありません。納得したわけではなく、話が終わっただけの状態です。一方で、資料を見せながら、なぜその判断になるのかを説明してくれた担当者がいました。数字を示され、理由を聞くと、同じ「難しい」でも受け取り方がまったく違います。振り返って印象に残っているのは、こちらの担当者でした。
信頼できる担当者に共通する4つの特徴
説明が丁寧だと感じた担当者には、共通点がありました。
| 共通していたこと | 具体的には |
|---|---|
| 結論だけで終わらせない | なぜその判断になるのか、理由まで説明する |
| 根拠を示す | 資料や数字を見せながら話す |
| こちらの状況を踏まえる | 一般論ではなく、こちらの経歴と条件に沿って話す |
| 別の選択肢も示す | 「この条件では難しいが、こうすれば」と道を残す |
逆に言えば、これらがないときは、同じ内容を伝えられても納得しにくくなります。面談を受けるときは、求人の数だけでなく、担当者がこの4点を満たしているかを見ておくとよいと思います。
転職を勧めない担当者もいる
転職エージェントは、求職者の転職が決まった際に、採用企業から紹介手数料を受け取る仕組みが一般的です。そのため、登録すれば転職をすすめられるのではないか、と考える方もいるかもしれません。
私が相談したなかには、そうでない担当者もいました。状況を確認したうえで、「今のところで頑張りましょう」と言われたのです。転職を勧めないという判断は、その担当者にとって成果につながりません。それでも、こちらの状況を見てそう伝えてくれました。
そして実際に、私はこのとき転職しませんでした。
職場を変えなくても、働き方を変える方法はあります。→ 詳しくは薬剤師の副業は禁止?勤務先別のルールと始め方を解説で解説しています。
複数登録の目的は、担当者を比べること
ここまでを踏まえると、私が複数のエージェントに登録する理由ははっきりしています。エージェントを比べるためではなく、担当者を比べるためです。
1社だけの登録では、この比較ができません。その担当者の説明が丁寧なのかどうかは、比べる相手がいなければ判断できないからです。3社ほどに登録して面談を受け、もっとも納得のいく説明をしてくれた担当者と進める。これが、実際に何度か転職活動をしてたどり着いたやり方です。
まとめ:エージェントではなく担当者で選ぶ
- 複数登録は基本だが、連絡のやりとりを考えると3社までが目安
- エージェントを変えても、紹介される求人が重なることはある
- 私の場合、どのエージェントに相談しても結論は同じだった
- 差が出るのは結論の伝え方。理由・根拠・こちらの状況・代替案の4点で判断できる
- 複数登録の目的は、エージェントの比較ではなく担当者の比較
転職エージェントを探している段階では、どうしてもサービスそのものを比べたくなります。ただ、登録したあとに向き合うのは担当者です。1社に決めきる前に、いくつか面談を受けてみることをおすすめします。同じことを伝えられても、納得できる説明とそうでない説明があり、その違いは話してみないと分かりません。
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