「薬剤師ライターって、実際きつくないですか?」

ライターに興味を持った薬剤師さんから、こう聞かれることがあります。

正直に答えると、きつい場面はあります。ただ、「想像していたきつさ」と「実際のきつさ」は種類が違いました。そして、きつさを上回るやりがいがあるから続けています。

この記事では、きれいごと抜きで、薬剤師ライターの現実をお伝えします。

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正直に言うと、きつい場面はある

まず、私が実際に「きつい」と感じた場面を挙げます。

①最初は単価が低い

薬剤師ライターを始めたばかりの頃の報酬は、文字単価0.6円でした。3,000文字の記事を書いて1,800円です。

調べながら書いていた最初の頃は、1記事に5時間以上かかることもありました。時給に換算すると300円台。薬剤師としての時給と比べると、正直落ち込む数字です。

「薬剤師免許があれば最初から高単価」というイメージで始めると、ここで挫折しやすいです。単価は実績とともに上がっていきますが、最初の数ヶ月は「修行期間」と割り切る必要があります。

②本業との両立で時間が削られる

副業ライターのきつさの大部分は、これだと思います。

薬局の仕事を終えて帰宅してから書く。休みの日に書く。最初のうちは、自由時間のかなりの部分が執筆に消えます。

特にきついのは、本業が忙しい時期と締め切りが重なったときです。残業が続く週に納期が迫ってくると、睡眠時間を削ることになります。これを繰り返すと体を壊すので、受ける量の調整が欠かせません。

③修正依頼で心が折れそうになる

丁寧に書いたつもりの記事に、びっしり修正コメントが入って返ってくる。最初の頃は、これがかなりこたえました。

薬剤師として「正確に書いた」つもりでも、「読者には伝わりにくい」「メディアのトーンと違う」という理由で直しが入ります。専門知識の正しさと、記事としての良さは別物だと思い知らされます。

④調べ物と裏取りに時間がかかる

「知っていることを書くだけだから楽」と思われがちですが、実際は違います。

医療記事は、自分の知識だけで書いてはいけません。添付文書・公的機関の情報・ガイドラインで一つずつ裏取りをします。知っている内容でも、根拠を確認する作業は省けません。この地道さは、想像以上でした。

「想像していたきつさ」と違ったこと

一方で、始める前に心配していたけど、実際はそうでもなかったこともあります。

文章力はそこまで問われなかった

「文章が得意じゃないから無理かも」と思っていましたが、医療記事に求められるのは、文学的な上手さではなく正確さとわかりやすさでした。

服薬指導で患者さんに説明するときの「専門用語をかみ砕いて伝える」感覚が、そのまま活きます。文章の型は書きながら身につきました。

案件がない、ということはなかった

「未経験では仕事がないのでは」という不安もありましたが、医療・健康ジャンルは記事の需要が多く、薬剤師という肩書きは応募時にしっかり評価されました。

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それでも続けている理由

きつさを書いてきましたが、私は薬剤師ライターを続けています。理由は3つあります。

①薬剤師の知識が「対物」から「対人」を超えて広がる

薬局での服薬指導は、目の前の一人に伝える仕事です。記事は、同じ悩みを持つ何千人にも届きます。

「不正確な医療情報があふれる中で、正確な情報を届ける」という実感は、薬剤師としてのやりがいの延長線上にあります。

②実績が積み上がると、働き方が変わる

単価は実績とともに上がります。文字単価0.6円から始まり、今は当時の数倍の単価で受けています。

さらに、ライターからディレクター(記事の品質管理をする側)に進むと、収入も仕事の幅も広がります。「時間を切り売りする副業」から「実績が資産になる副業」に変わっていく感覚があります。

③場所と時間を自分で決められる

子育て・介護・体調——人生の事情に合わせて、仕事量と時間を調整できます。薬剤師の資格を活かしながら在宅で働ける選択肢を持っていること自体が、安心材料になっています。

きついと感じやすい人・向いている人

経験上、こういう傾向があると思います。

きついと感じやすい人と向いている人の比較図

きついと感じやすい人

  • すぐに高収入を期待している人(最初の数ヶ月は単価が低い)
  • 修正・フィードバックを受けるのが極端に苦手な人
  • 調べ物・裏取りの地道な作業が嫌いな人

向いている人

  • 服薬指導で「わかりやすく伝える」ことが好きな人
  • コツコツ実績を積み上げるのが苦にならない人
  • 本業以外の収入源・キャリアの選択肢を作りたい人

きつさを減らすコツ

これから始める方に、きつさを減らすために伝えたいことが3つあります。

  1. 最初は月2〜3本の少ない本数から始める——両立の感覚をつかむまで増やさない
  2. 締め切りに余裕のある案件を選ぶ——本業の繁忙と重なっても対応できる余白を残す
  3. 単価の低い時期を「実績作り」と割り切る——実績が増えれば単価交渉の材料になる

時間管理の具体的な方法は正社員薬剤師が副業ライターを続けるための時間管理で詳しく書いています。

まとめ:きついのは最初。続けると景色が変わる

正直にまとめます。

  • 最初の数ヶ月は単価が低く、時間もかかり、きつい
  • 修正依頼・裏取り作業など、地道なきつさは確かにある
  • ただし文章力の心配は不要。薬剤師の「伝える力」がそのまま活きる
  • 実績が積み上がると単価が上がり、働き方の選択肢が増える
  • きつさは「最初に集中」している。続けた人から楽になっていく

きつさの正体は、ほとんどが「最初の壁」です。その壁の越え方は、薬剤師ライターの始め方:最初の案件の取り方で具体的に解説しています。


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