2026年5月、アリナミン製薬がラメルテオン配合の睡眠改善薬「ロゼレムS」の製造販売承認を取得したと発表しました。
ロゼレムはもともと医療用の睡眠薬として2010年から処方されてきた薬です。それが今回、要指導医薬品として市販薬に転換され、薬局・ドラッグストアで購入できるようになります。
こうした「医療用医薬品から市販薬に転換された薬」をスイッチOTCと呼びます。スイッチOTCに関する記事を書く機会は今後増えていくと思います。サプリメントとは異なる広告表現のルールを理解しておくことが大切です。
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ロゼレムSの概要
ロゼレムSは要指導医薬品に分類されるため、薬剤師による対面での情報提供・指導が義務づけられており、特定販売(インターネット等)は不可です。主な概要は以下の通りです。
- 有効成分:ラメルテオン 8mg
- 効能効果:一時的な不眠による寝つきの悪さの緩和
- 対象年齢:15歳以上
- 発売予定:2026年7月28日(予定)
要指導医薬品の広告表現ルール
要指導医薬品は医薬品であるため、承認された効能効果・用法用量の範囲内で広告表現を使うことができます。一般用医薬品と同様に広告可能ですが、薬機法第66条(誇大広告の禁止)をはじめとする厳格な広告規制の対象です。
サプリメントでは使えない「寝つきを改善する」「寝つきの悪さを緩和する」といった表現も、承認された効能効果の範囲内であれば記事内で紹介できます。OTC医薬品全般の表現ルールはOTC医薬品の記事で気をつける薬機法表現で詳しく解説しています。
なお、「眠れるようになる」という表現はやや広い印象を与え、承認効能効果(「一時的な不眠による寝つきの悪さの緩和」)から外れた表現として判断されやすいため、使用は避けた方が安全です。
ただし、ライターとして注意すべきポイントがいくつかあります。
①承認された効能効果を正確に書く
要指導医薬品の効能効果は、承認を受けた表現が決まっています。ロゼレムSであれば「一時的な不眠による寝つきの悪さの緩和」です。
これを「不眠症を治す」「慢性的な不眠に効く」などと書き換えることはできません。承認された範囲を超えた表現は、薬機法第66条の誇大広告にあたります。
また、スイッチOTCは「元医療用医薬品」であっても、広告上は一般用医薬品として扱われます。「医療用と同じ成分だから効果が高い」といった訴求は、効能効果の逸脱と判断される可能性があります。
②「一時的な不眠」という限定に注意する
ロゼレムSの効能効果は「一時的な不眠」に限定されています。慢性的な不眠症や睡眠障害への効果を示唆する書き方はNGです。
NG例
- 「毎日飲み続けることで不眠が改善する」
- 「睡眠障害に悩む方に」
OK例
- 「一時的な不眠による寝つきの悪さに対応した市販薬」
- 「承認された効能効果:一時的な不眠による寝つきの悪さの緩和」
③要指導医薬品であることを明記する
要指導医薬品は特定販売(ネット販売等)ができず、薬剤師による対面での情報提供・指導が義務づけられています。記事内で紹介する場合は、「薬局・ドラッグストアで薬剤師に相談の上購入する」という情報を伝えることが重要です。
一般の市販薬と同じように「ネットで手軽に買える」という書き方は誤解を招くため避けます。
④サプリメントとの違いを明確にする
ロゼレムSとサプリメントの最大の違いは、「効能効果を言えるかどうか」です。
医薬品は承認を受けた効能効果を広告で訴求できます。一方、サプリメントは食品扱いのため、効能効果を広告で謳うことはできません。
ロゼレムSはメラトニン受容体に作動する医薬品です。メラトニンそのものを配合したサプリメントとは全く異なります。「メラトニンサプリと同じ」「自然な成分だから安心」といった表現は、医薬品の性質に関して誤解を与えるおそれがあるため不適切です。睡眠サプリ側の表現ルールは睡眠サプリ・メラトニンの薬機法で解説しています。
ライターが記事を書くときの確認ポイント
スイッチOTCや要指導医薬品に関する記事依頼を受けたとき、以下を確認しておきましょう。
- 承認された効能効果・用法用量を公式情報で確認する
- 効能効果の表現が承認内容と一致しているか確認する
- 「一時的な不眠」など、効能効果の限定範囲を超えていないか確認する
- 要指導医薬品であること・特定販売不可であること・薬剤師への相談が必要なことを明記する
- サプリメントとの違いを混同しない書き方になっているか確認する
薬剤師の知識があるからこそ、こうした確認が的確にできます。それがライターとしての強みになります。
まとめ
- スイッチOTCは医療用医薬品から転換された市販薬で、効果が期待できる分、広告表現のルールも厳格です
- 要指導医薬品は薬剤師による対面での情報提供・指導が義務づけられており、特定販売は不可です
- スイッチOTCは元医療用であっても、広告上は一般用医薬品として扱われます
- ロゼレムSの効能効果は「一時的な不眠による寝つきの悪さの緩和」に限定されます
- 承認された効能効果の範囲を超えた表現は、薬機法第66条の誇大広告にあたります
- サプリメントと医薬品の最大の違いは「効能効果を広告で言えるかどうか」です
スイッチOTCは今後も増えていくジャンルです。薬剤師ライターとして、医薬品とサプリメントの違いを正確に理解した上で記事を書くことが、クライアントからの信頼につながります。
スイッチOTCの実例を確認してみよう
ガスター10は、もともと処方箋医薬品として使われていたH2ブロッカー(ファモチジン)がスイッチOTCになった代表的な例です。「胃酸の分泌を抑える」という医薬品的な効能効果を広告で訴求できる根拠は、医薬品としての承認を受けているからです。
▲ スイッチOTC(第1類医薬品)の実例(PR)
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