「今の働き方を変えたい」——そう思ったとき、薬剤師の前には「転職」と「副業」という2つの選択肢があります。

どちらを選べばいいのか。両立はできるのか。私自身、この2つのあいだで迷った時期がありました。

結論から言うと、私が選んだのは「転職で働き方を整えたことで、結果的に副業にも取りかかれた」という道でした。最初から両方を狙っていたわけではなく、働き方を変えたら副業をやる余力が生まれた、という順番です。

この記事では、転職と副業それぞれが向いている人を整理したうえで、私が実際に歩んだ「両立までの流れ」をお話しします。

転職と副業、そもそも何が違うのか

まず、2つの選択肢が解決してくれるものは違います。

  • 転職:働く環境そのものを変える。労働時間・給料・人間関係・通勤といった「土台」を変えられる
  • 副業:今の仕事を続けたまま、収入源や経験を足す。「土台」はそのままに、新しい柱を1本増やす

つまり、今つらいのが「職場環境そのもの」なら転職、「環境に大きな不満はないが収入や変化がほしい」なら副業、という切り分けが基本になります。

転職と副業のどちらを選ぶかを対比した図解。転職は働く環境そのもの(時間・給料・人間関係)の「土台」を変える手段で、職場環境がつらい・時間が作れない人向け。副業は土台はそのままに収入や経験の「柱」を1本足す手段で、環境に不満はないが収入や変化がほしい人向け。二択ではなく「転職で時間を作ってから副業」という順番もある

副業が向いている人

こういう方は、転職せずに副業から始めるのが合っています。

  • 今の職場に大きな不満はないが、収入をもう少し増やしたい
  • 職場を辞めるリスクは取らずに、新しい働き方を試してみたい
  • すでに時間の融通が利く働き方をしている

薬剤師なら、資格と知識を活かせる副業として医療ライターという選択肢があります。パソコン1台で始められ、働く時間を自分で決められるのが特徴です。

→ 詳しくは薬剤師ライターの始め方:最初の案件の取り方で解説しています。始める前に、薬剤師の副業は禁止?勤務先別のルールと始め方で自分の勤務先のルールも確認しておきましょう。

転職を考えた方がいい人

一方、こういう状態なら、副業の前に働き方そのものを整えることをおすすめします。

  • 職場環境そのものがつらく、帰宅後に何かをする気力が残らない
  • 今の勤務時間では、副業のための時間がそもそも作れない
  • 収入の底上げが必要(副業で月1〜3万円を積むより、転職での年収アップのほうが効果が大きいこともある)

私自身がこのタイプでした。フルタイム勤務のままでは、副業をやる時間も気力も残っていなかったのです。

実体験:転職で「時間」を手に入れた話

私が転職したとき、一番重視していたのは給料ではなく労働時間でした。育児と両立するには、フルタイム40時間の働き方を続けるのは難しかったからです。

ただ、時間を最優先で転職活動をすると、紹介されるのはパートばかり。私は社員として働きたかったので、ここで希望を率直に伝えて条件を交渉してもらいました。

結果として、40時間の正社員募集だった職場に、30時間の「準社員」として入る形に着地しました。この条件は、自分ひとりの転職活動では見つけられなかったと思います。求人票には「準社員」なんて書いてありませんから。

そして、週40時間と30時間の差である週10時間。この時間が、のちに副業ライターの作業時間になりました。

その「条件交渉」は、転職エージェントに相談できる

私が準社員という着地にたどり着けたのは、間に入って交渉してくれる存在がいたからです。

給料や労働時間の交渉は、自分では言い出しにくいもの。「もう少し時間を短くできませんか」と面接で自分から切り出すのは、勇気がいります。こうした言いにくい条件こそ、代わりに交渉してもらう価値があります

実際に使ってみて、良かったのは次のような点でした。

  • 給料や労働時間の交渉を代わりにしてもらえる
  • 面接に同行してもらえて、ひとりで挑むより心強い
  • 辞退したい企業への断りの連絡を代行してもらえる
  • 求人票ではわからない職場の内情(社長がどんな人かなど)を教えてもらえる

一方で、大変だったこともあります。

  • 時間数を最優先にすると、パート求人ばかり紹介される時期があった。「社員がいい」という希望を諦めずに伝え続ける必要がある
  • 準社員という道を交渉できる会社を探してもらえたのは良かったが、時間はかかった。急ぎの転職には向かない進め方かもしれない

こうした交渉は、薬剤師専門の転職エージェントに相談できます。求人を紹介してもらうだけでなく、条件面のやり取りを任せられるのが、ひとりで転職活動をするのとの大きな違いです。

空いた時間で、副業という次の一歩

働き方を整えて時間ができたら、そこから副業を始めるという順番もあります。

私の場合、準社員として働くようになって生まれた余白が、ライターを始めるきっかけになりました。育児中でも、子どもが寝たあとや隙間の時間で少しずつ書けるのが、この働き方の良いところです。

→ 育児と両立しながら始める流れはママ薬剤師の在宅ワーク:育児しながら医療ライターを始める方法で、在宅でできる仕事の選択肢は薬剤師の在宅ワークおすすめ5選でまとめています。

まとめ:転職と副業は対立しない

  • 転職は「働く環境そのもの」を、副業は「収入や経験の柱」を変える手段
  • 職場環境がつらい・時間が作れないなら、まず転職で土台を整える
  • 大きな不満がなく収入や変化がほしいなら、副業から試す
  • 転職と副業は二択ではなく、「転職で時間を作ってから副業」という順番もある
  • 労働時間や給料の条件交渉は、自分で抱え込まず転職エージェントに相談できる

「今の働き方を変えたい」という気持ちは、転職か副業かのどちらか一方でしか叶えられないものではありません。私のように、順番に組み合わせていく道もあります。