医療・健康系の記事を書くとき、「この表現は大丈夫か」と迷ったことはないでしょうか。
薬機法のルールを知っていても、いざ書くと「つい使ってしまう」表現があります。この記事では、医療ライターが現場でよく書いてしまうNG表現を10個ピックアップし、安全な言い換えとセットで解説します。
そもそも薬機法とは何かは薬機法とは?医療ライターが最初に知っておきたい基本で、書ける表現を左右する商品分類の基本は処方薬・OTC・医薬部外品・健康食品の違いとは?で、それぞれあわせて参考にしてください。
第1位:「〇〇が治ります」「治る」
なぜNGか
健康食品・化粧品・サプリメントは、疾病の「治癒」をうたうことができません。「治る」は医薬品にのみ認められた表現です。
NG例
- 「毎日飲み続けると、肌荒れが治ります」
- 「膝の痛みが治ると評判のサプリ」
OK言い換え例
- 「肌荒れが気になる方に」
- 「毎日のコンディションをサポートする成分を配合」
- 「健やかな毎日を意識したい方に」
第2位:「効果があります」「効きます」
なぜNGか
「効果がある」「効く」は、医薬品的な効能を示す表現です。承認されていない効能・効果を示すことは薬機法で禁止されています。
NG例
- 「このサプリには血糖値を下げる効果があります」
- 「花粉症に効くと話題の成分」
OK言い換え例
- 「毎日の健康管理に役立てたい方に」(一般食品・サプリの場合)
- 「花粉の季節の健康習慣として取り入れたい方に」
※「血糖値が気になる方に」のような疾患・検査値を連想させる表現は、機能性表示食品として届出している場合を除き、一般食品では避けた方が安全です。
第3位:「飲むだけで」「塗るだけで」
なぜNGか
「〇〇するだけで効果が出る」という表現は、誇大な印象を与えます。根拠のない簡便性の強調は、薬機法・景品表示法の両方でリスクになります。
NG例
- 「飲むだけで体脂肪が減ります」
- 「1日1粒で栄養が補える」(補える=効果を断定している)
OK言い換え例
- 「毎日の習慣に取り入れやすい〇粒タイプ」
- 「バランスの取れた食事・適度な運動と組み合わせてお使いください」
第4位:「副作用なし」「安全です」
なぜNGか
いかなる製品も、すべての人に副作用がないとは断言できません。「安全」の断定は、薬機法の誇大広告に該当するリスクがあります。
NG例
- 「副作用のない安全なサプリメント」
- 「天然成分なので安心して飲めます」
OK言い換え例
- 「〇〇成分不使用」(含まれていない成分を具体的に明示)
- 「ご使用前に原材料をご確認ください」
- 「体質に合わない場合があります」
第5位:「医師おすすめ」「専門家推薦」
なぜNGか
推薦の実態が伴わない場合、根拠のない権威付けとして問題になります。「医師おすすめ」と書くだけでは、誰がどのような根拠でおすすめしているかが不明です。
NG例
- 「医師もすすめるサプリメント」
- 「専門家が認めた〇〇成分」
OK言い換え例
- 「監修協力:〇〇医師(専門:内科、〇〇クリニック)」(実際に監修している場合のみ、氏名・資格・所属を明記)
- 「〇〇医師のコメントをもとに整理しました」(コメントを取得している場合)
※「監修」と記載する場合は、実際に内容を確認してもらった実態が必要です。名前だけ借りる形は問題になる場合があります。
第6位:「日本一」「No.1」「業界最高」
なぜNGか
根拠のない最上級・比較表現は、景品表示法の優良誤認に該当するリスクがあります。薬機法でも誇大広告として問題になる場合があります。
NG例
- 「日本一売れているダイエットサプリ」
- 「業界最高濃度の〇〇成分配合」
OK言い換え例
- 「当社EC内での販売数1位(当社調べ、2024年、当社取扱製品のうち)」(比較対象・調査主体・時期をすべて明示)
- 「〇〇mgの〇〇成分を配合(当社従来品比〇%増)」
※「自社調べ、自社製品内でのNo.1」は、消費者が市場全体のNo.1と誤認しやすいため、比較対象を具体的に明示することが必要です。
第7位:「〇〇さんが3kg痩せました」
なぜNGか
個人の具体的な数値を示す体験談は、消費者に「自分も同じ効果が得られる」という誤解を与えます。景品表示法・薬機法の両方でリスクになります。
NG例
- 「Aさん(40代女性):1か月で5kg痩せました」
- 「使い始めて2週間で肌がワントーン明るくなりました」
OK言い換え例
- 体験談を掲載する場合は「個人の感想です。効果には個人差があります」を必ず付記した上で、効能効果の断定を含まない内容にする
- 数値の結果(「3kg減」など)は掲載しない
体験談・口コミ・お客様の声をどこまで書いていいかは、体験談・口コミは書ける?で商品分類ごとに整理しています。
第8位:「〇〇に効く成分配合」
なぜNGか
「〇〇に効く」という表現を、成分の説明に使うこともNGです。成分であっても、効能効果の断定は認められていません。
NG例
- 「睡眠に効くGABA配合」
- 「疲労回復に効くアミノ酸を配合」
OK言い換え例
- 「GABAを配合」
- 「アミノ酸を配合。日々の栄養補給に」
※「〇〇に注目されている」という表現も、効果をにおわせやすいため、シンプルに成分名のみを記載する方が安全です。
第9位:「厚生労働省認可」「国が認めた」
なぜNGか
厚生労働省は製品を「認可」する機関ではなく、製造販売の「承認」を行います。また「国が認めた」という表現は、実態と異なる場合に虚偽広告になります。
NG例
- 「厚生労働省認可の安全なサプリ」
- 「国が認めた〇〇成分」
OK言い換え例
- 機能性表示食品の場合:「消費者庁に届出した機能性表示食品」
- 医薬品の場合:「厚生労働省の承認を受けた医薬品です」
※「成分が承認を取得した」という表現は不正確です。承認されるのは製品・効能であり、「〇〇成分が承認された」という書き方は避けてください。
第10位:「〇〇するだけで健康になれる」
なぜNGか
健康への包括的な効果を示す表現は、誇大広告に該当するリスクがあります。特定の疾患・症状への効果でなくても、「健康になれる」という断定は問題になることがあります。
NG例
- 「毎朝飲むだけで健康体になれます」
- 「このサプリ1本で体の悩みを解決」
OK言い換え例
- 「バランスのよい食事・適度な運動・十分な休養を基本に、健康習慣の一助としてお使いください」
- 「〇〇の摂取量をサポートするサプリメントです」
まとめ:迷ったら「言い切らない」を基本に
薬機法NG表現に共通するのは、効果・安全性・権威性を「断定」している点です。
迷ったときは、以下の問いを自分に投げかけてみてください。
- この表現を見た読者は、製品に医薬品と同じ効果を期待しないか?
- この表現の根拠を、具体的に示せるか?
- 効果が出なかった読者が不満を持つような断定をしていないか?
「言い切らない」「根拠を示す」「サポートという表現にとどめる」——この3つを意識するだけで、薬機法リスクを大幅に減らすことができます。
NG表現の詳細カテゴリ別解説は医療記事の薬機法チェック:やってはいけない表現一覧、クリニック案件特有のルールは医療広告ガイドラインを「書き方」で見るもあわせてご確認ください。
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