健康食品・サプリメントの記事を書くとき、「この表現、大丈夫かな」と毎回迷うことがあります。

薬機法の知識として「効果効能を書いてはいけない」とわかっていても、具体的にどう言い換えればいいのか、どこまでがOKなのかは、慣れるまで判断しにくいものです。

この記事では、健康食品・サプリの記事でよく使われる表現をNG・OKの対比表にまとめました。提出前のチェックリストと合わせて、実務でそのまま使えるツールとして活用してください。

なぜ健康食品・サプリは薬機法チェックが難しいのか

健康食品・サプリメントは、薬機法上「食品」です。

医薬品と違い、体への効果・効能を広告で訴求することは原則禁止されています。「○○に効く」「△△が改善する」と書いた瞬間、それは医薬品的な効能表示となり、薬機法違反になります。

難しいのは、「体に良さそう」という雰囲気の表現でもNGになりうる点です。「免疫力をサポート」「体の中からキレイに」のような柔らかい表現も、文脈によっては問題になります。

また、健康食品・サプリは記事広告・アフィリエイト記事の依頼が多いジャンルでもあり、ライターが薬機法チェックを担うケースが増えています。「クライアントが書いてほしい内容」と「薬機法上書けること」のギャップを埋めるのがライターの仕事になります。

薬機法でNGになる3つのパターン

NG表現は大きく3つのパターンに分けられます。

パターン1:効果・効能を直接うたう

「○○に効く」「△△を改善する」「□□に効果がある」のように、体への作用を断言する表現です。これが最も典型的な違反パターンです。

パターン2:疾患名・症状名との結びつけ

「花粉症に」「便秘解消に」「膝の痛みに」のように、特定の疾患や症状名と製品を結びつける表現です。疾患名を直接使っていなくても、「つらい季節を乗り越えたい方に」など、疾患を示唆する表現も対象になります。

パターン3:医薬品と同等の効果を示唆する

「処方薬と同じ成分」「病院でも使われている」「薬に頼りたくない方に」のような表現は、医薬品と同等の効果があるような印象を与えるためNGです。

→ 実際の行政指導につながった事例は健康食品・サプリの広告でよくある薬機法違反パターンで解説しています。

NG→OK言い換え対比表

カテゴリ別にまとめました。記事を書くときの参考にしてください。

免疫・体質改善系

「効能の断言」または「疾患・症状との結びつけ」に該当します。

NG表現 OK言い換え
免疫力を高める 毎日の健康習慣として取り入れたい方に
免疫力アップ 健康維持を意識したい方に
体質改善できる 日々の体調管理をサポート
風邪をひきにくくなる 毎日の健康的な生活習慣を続けたい方に
アレルギーを抑える 季節の変わり目の健康維持を意識したい方に
炎症を抑える 毎日の健康をサポートする成分として注目

美容・肌系

「効能の断言」または「疾患・症状との結びつけ」に該当します。コラーゲンなど成分の働きを断言する表現も同様です。

NG表現 OK言い換え
シミが消える 透明感のある肌を目指したい方に
肌荒れが治る うるおいのある肌を保ちたい方に
ニキビに効く 肌のコンディションが気になる方に
老化を防ぐ 年齢を重ねても美しくいたい方に
コラーゲンが増える コラーゲンの生成をサポートする成分を配合(機能性表示食品は届出内容に基づく)
アトピーに効果的 乾燥が気になる肌のケアをしたい方に

ダイエット・体重管理系

「効能の断言」が中心です。「内臓脂肪を減らす」「糖の吸収を抑える」は機能性表示食品の届出文言と一致する場合のみ使用できます。

NG表現 OK言い換え
飲むだけで痩せる 健康的な体づくりをサポート
脂肪が燃える 運動や食事管理と組み合わせたい方に
食べても太らない 食事バランスを意識した生活習慣に
内臓脂肪を減らす 機能性表示食品の場合は届出番号・届出文言と一致する形でのみ使用可
糖の吸収を抑える 機能性表示食品の場合は届出番号・届出文言と一致する形でのみ使用可
リバウンドしない 無理なく続けられる習慣づくりを応援

腸活・消化器系

「疾患・症状との結びつけ」または「医薬品的な効能の断言」に該当します。

NG表現 OK言い換え
便秘を解消する 毎日のお通じケアをサポート
下痢を改善する 腸内環境を整えたい方に
腸を修復する 腸内フローラのバランスをサポート
腸の炎症を抑える 毎日の腸活習慣を続けたい方に
悪玉菌を除菌する 善玉菌を増やして腸内環境を整えたい方に

関節・筋肉・疲労系

「疾患・症状との結びつけ」または「効能の断言」に該当します。「疲労回復」は食品に使えない表現で、「疲労感を軽減」は機能性表示食品のみ可能です。

NG表現 OK言い換え
膝の痛みに効く 毎日動き続けたい方の健康習慣に
関節炎に 関節の動きを滑らかに保ちたい方に
筋肉痛を和らげる トレーニング後のケアをサポート
疲労回復 毎日の疲れが気になる方に(「疲労感を軽減」は機能性表示食品のみ可)
慢性疲労に 疲れを感じやすい方の日常習慣に

グレーゾーンの判断基準

「効果」「改善」「サポート」——どこまで使えるかは文脈と製品区分によって変わります。

「サポート」「ケア」はOKか

「健康をサポート」「腸内環境のケアに」のような表現は、効果を断言していないため一般的にはOKとされます。ただし「サポート」という言葉を使っていても、前後の文章で効果を示唆する内容が続いていると全体として問題になることがあります。「サポート」「ケア」そのものは比較的安全ですが、直後に具体的な効果・効能が続く場合は、全体として医薬品的な印象を与えるため避けてください。

「〜したい方に」はOKか

「便秘が気になる方に」「肌荒れしやすい方に」のような訴求は、悩みを持つ読者への語りかけとして使われます。これ自体は直接の効能表示ではありませんが、その後に「だから効果がある」という流れにならないよう注意が必要です。「〜が気になる方に」の後に「だから効果がある」「〜できるようになります」などが続くと、効能表示とみなされやすくなります。

機能性表示食品は別ルール

機能性表示食品は、届出が受理された機能のみ、届出通りの表現で記載できます。「内臓脂肪を減らす」「目の疲労感を緩和する」などの表現は、機能性表示食品として届出された製品であれば使用可能です。ただし届出内容の範囲を超えた表現はNGです。

記事を書くときの確認手順は次の通りです。

  1. この製品は機能性表示食品か
  2. 届出番号はどれか(消費者庁「機能性表示食品データベース」で届出番号を検索し、届出表示を直接確認してください)
  3. 届出表示(訴求できる機能)に何と書いてあるか
  4. 記事中の表現が届出文言と一致しているか

この4点を確認してから書くことで、「機能性表示食品だからOKのはず」という思い込みによるミスを防げます。

景品表示法にも注意

薬機法と並んで注意が必要なのが景品表示法(景表法)です。次のような表現は、薬機法だけでなく景表法でも問題になります。

  • 「No.1」「売上1位」(根拠が不明確な場合)
  • 「モニター全員が実感」(実態と異なる場合)
  • 「○日で効果を実感」(根拠のない断言)
  • 「〇〇と比べて△△倍」(比較の根拠が不明確な場合)

これらは誇大広告・不実証広告として規制対象になります。クライアントから指定されても、根拠となるデータが示されない限り使わないのが安全です。なお、根拠がある場合でも、調査期間・対象・サンプル数・実施主体が不明確な「No.1」などは、景品表示法上問題になることがあります。

口コミ・体験談の扱い

体験談や口コミを記事に引用するときは特に注意が必要です。「私はこの商品を飲んで3kg痩せました」のような個人の感想でも、記事全体の文脈で効能を印象づける使い方をすると薬機法・景表法の問題になります。

体験談を使う場合は「個人の感想です。効果・効能を保証するものではありません。効果には個人差があります。」などの注意書きをセットで入れるのが基本です。ただし、強い効能訴求のすぐ後に小さく免責を書くような構成は、注意書きがあってもNGとされることがあります。体験談は「補足」として位置づけ、記事全体で効能を印象づけない構成にすることが大切です。

→ 体験談・口コミがどこまで書けるかは体験談・口コミ・お客様の声は書ける?で詳しく解説しています。

提出前チェックリスト

記事を納品する前に、以下の項目を確認してください。

製品区分の確認

  • 健康食品・サプリ・機能性表示食品のどれか確認した
  • 機能性表示食品の場合、届出番号・届出表示・対象機能を確認した
  • 機能性表示食品の場合、記事中の表現が届出文言と一致している
  • 医薬品・医薬部外品ではないことを確認した

NG表現のチェック(薬機法)

  • 「効く」「治る」「改善する」「解消する」「治療」が含まれていない
  • 疾患名・症状名と製品を直接結びつけていない
  • 「免疫力アップ」「体質改善」「脂肪燃焼」などの断定表現がない
  • 「処方薬と同じ」「医師も推奨」などの医薬品比較表現がない

NG表現のチェック(景品表示法)

  • 根拠のない「No.1」「売上1位」などの表現がない
  • 「○日で効果を実感」「モニター全員が実感」などの根拠のない断言がない
  • 「飲むだけで」など根拠のない効果保証がない

全体の流れの確認

  • 個別の表現はOKでも、記事全体で「効果がある」という印象を与えていない
  • 体験談・口コミを引用している場合、記事全体で効能を印象づける構成になっていない
  • 体験談・口コミを引用している場合、「個人の感想です。効果・効能を保証するものではありません。効果には個人差があります。」などの注意書きを添えている
  • アフィリエイト記事の場合、PR表記が入っている

まとめ

健康食品・サプリの記事でチェックすべきポイントをまとめます。

  • 「効く」「治る」「改善する」は原則NG。「サポート」「ケア」「〜したい方に」に言い換える
  • 疾患名・症状名と製品を結びつける表現は、直接的でも示唆的でもNG
  • 機能性表示食品は届出内容の範囲内であれば機能訴求が可能
  • 個別の表現だけでなく、記事全体の印象で判断する

このチェックシートは、健康食品・サプリの記事全般に使えます。OTC医薬品・市販薬の薬機法チェックについてはOTC医薬品・市販薬編チェックシート、医薬部外品・化粧品の薬機法チェックについては医薬部外品・化粧品編チェックシートも参照してください。