医療・健康系の記事やLPを書いていると、「今だけ半額」「定期初回無料」といった、お得さをアピールする表現を扱うことがあります。
この「お得」の見せ方を間違えると、**有利誤認(ゆうりごにん)**という景品表示法違反になります。優良誤認とセットで知っておきたい、もうひとつの大事なルールです。
この記事では、有利誤認とは何かを、医療・健康系の記事を書くライターの目線でやさしく整理します。
有利誤認とは
有利誤認とは、ひとことで言うと、商品やサービスの「価格・取引条件」を、実際よりも著しくお得に見せる表示のことです。
これは「景品表示法(景表法)」という法律で禁止されています。正式名称は「不当景品類及び不当表示防止法」。消費者が「実際よりお得だ」と勘違いして買ってしまうことを防ぐための法律です。
たとえば、こんな表示が有利誤認にあたります。
- 実際には売っていない高い値段を持ち出して「通常価格10,000円→今だけ5,000円」とうたう
- 条件があるのに「もれなく全員無料」と書く
- いつでも同じ値段なのに「本日限り特別価格」と表現する
ポイントは、「実際の取引条件」と「見せ方」のあいだに、消費者を誤解させるほどの差があるかということです。事実より大げさに「有利(お得)である」と誤認させるから「有利誤認」と呼ばれます。
有利誤認は「価格」、優良誤認は「品質」
景表法には、対になる言葉で「優良誤認(ゆうりょうごにん)」があります。2つをセットで覚えると、両方すっきり理解できます。
| 種類 | 何を誤認させるか | 例 |
|---|---|---|
| 優良誤認 | 商品の品質・中身・効果 | 「業界No.1の効果」「誰でも痩せる」 |
| 有利誤認 | 価格・取引条件(お得さ) | 「通常価格の半額」(実際は元値で売っていない) |
- 優良誤認=「中身がすごい」と思わせる(品質を実際より良く見せる)
- 有利誤認=「お得だ」と思わせる(価格・条件を実際よりお得に見せる)
医療・健康系の記事では、効果や成分を扱う優良誤認のほうが関係が深いのですが、サプリや化粧品のLP・定期購入の訴求を書くときは、価格の見せ方=有利誤認にも注意が必要です。優良誤認そのものは優良誤認とは?景品表示法の基本でくわしく解説しています。
有利誤認になりやすい3つのパターン
医療・健康記事やサプリ・化粧品のLPで、有利誤認につながりやすい代表的なパターンを挙げます。

①二重価格表示(通常価格〇円→今だけ〇円)
「通常価格10,000円→5,000円」のように、比較対象の価格を一緒に見せて安さを強調する表示です。これ自体は禁止ではありませんが、その「通常価格」が実態のない価格だと有利誤認になります。
たとえば、実際には一度も10,000円で売ったことがないのに「通常10,000円」と書くケース。比較対象にできるのは、実際に最近相当な期間にわたって販売されていた価格だけです。つまり大事なのは「元の価格に実態があるか」。売った実績のない価格を「通常価格」として持ち出すと、それだけで有利誤認になります。
②無料・特典の条件を隠す表示
「初回無料」「もれなくプレゼント」のような表示で、実際には条件があるのにそれを目立たせないパターンです。
サプリの定期コースでよくあるのが、「初回実質0円」と大きく書きながら、「○回の継続が条件」「2回目以降は通常価格」といった重要な条件を小さくしか書かない形。お得さの前提となる条件は、消費者が見落とさないように示す必要があります。
③期間・数量限定をいつわる表示
「本日限り」「先着100名様」のような限定をうたいながら、実際にはいつでも・誰でも同じ条件というパターンです。
毎日「本日限り」を出し続けている、「先着100名」と書きながら人数に関係なく売っている、といったケースは、急がせて買わせるための誤認表示になります。問われるのは「限定」という言葉そのものではなく、本当に限定されているか・その根拠があるかです。実際に期間や数量が区切られているなら、限定表示そのものは問題ありません。
サプリ・化粧品・定期購入LPで特に注意
有利誤認は、医療記事そのものより、サプリ・化粧品・健康食品の販売ページや定期購入のLPなど、お得さを前面に出す訴求でよく問題になります。ライターの立場では、次のような場面で関わってきます。
- アフィリエイト記事やLPで価格を紹介するとき:「今だけ半額」「定期初回○円」などをそのまま書き写すと、その価格表示が不当だった場合に記事も問題に巻き込まれます
- キャンペーンの訴求を任されたとき:「期間限定」「先着」などの条件は、事実かどうかをクライアントに確認してから書く
価格や特典は自分で真偽を確かめにくい部分です。「この価格・条件は本当か?根拠を示せるか?」をクライアントに確認するのが、有利誤認を避ける一番の近道になります。これは優良誤認の「根拠を示せるか」と同じ考え方です。
違反するとどうなるのか
有利誤認にあたる表示をした場合、主に表示をした事業者(広告主)が次のような対応を求められることがあります。
- 措置命令:表示の差し止め、再発防止、消費者への周知などを命じられる
- 課徴金:対象となる商品の売上の一定割合を国に納める
これは優良誤認と同じ枠組みです。主に広告主側が問われるものですが、不当な価格表示はSNSやLPで拡散・指摘されやすく、ブランドの信頼を大きく損ないます。ライターとしても、根拠のあいまいなお得さ訴求はそのまま書かない姿勢が、クライアントを守ることにつながります。
まとめ
有利誤認とは何か、ライター目線でまとめます。
- 有利誤認とは、商品の価格・取引条件を、実際より著しくお得に見せる表示。景品表示法で禁止されている
- 対になる**優良誤認は「品質・中身・効果」**を実際より良く見せる表示。有利誤認は「価格」、優良誤認は「品質」と覚える
- 医療・健康のLP・アフィリ記事では、①実態のない二重価格 ②条件を隠した無料・特典 ③いつわりの期間・数量限定、の3パターンが要注意
- 分かれ目は優良誤認と同じく「根拠を示せるか」。価格・条件が事実かをクライアントに確認してから書く
「このお得さ、本当に根拠があるか?」——この一言を意識するだけで、有利誤認の多くは防げます。なお、同じ景表法には「広告だと分からない形で宣伝する」ことを禁じるステマ規制もあり、PR記事や体験談を書くときはこちらもあわせて押さえておきたいルールです。
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